筑波大学 徳山薫平教授インタビュー

METsを使いこなして、消費カロリーアップ!

全てのエクササイズの運動強度(METs)測定にご協力いただいた筑波大学、徳山薫平教授と学生の皆様にお話を伺いました。一週間でどれくらい運動したらいいの? 日常生活で消費カロリーを増やすコツは? ……などなど気になる情報から、METsを測定するために全てのエクササイズをやりこんだ方々の感想まで、充実のインタビューをお楽しみください!

全てのエクササイズの運動強度(METs)測定にご協力いただいた
筑波大学の徳山薫平教授、
学生の皆さん(井川さん、宮下さん、宮川さん、山本さん、矢島さん、嶋田さん)に
お話を伺いました。

METsが高ければ高いほど消費カロリーが多い!

スタッフ:
METsについて教えてください! METsって何でしょうか?
徳山教授:
METsは、運動強度を表す単位です。
座って安静にしている状態が1METs、普通歩行が3METsに相当します。
この場合の運動強度とは、エネルギー消費のことです。
METsの数値が高ければ高いほど、消費するカロリーが多くなります。
消費カロリーは個人の体重によって差が生じてしまいますが、
METsを使えば、体重に関係なく運動強度を示すことができます。
スタッフ:
なるほど!
METsが高いものを選んで運動すれば、消費カロリーも多いということですね!

一週間に、どれくらい運動したらいい?

スタッフ:
一週間に、どれくらい運動したらいいんでしょうか?
徳山教授:
日常生活の中でも、歩いたり階段を上ったり、運動していますね。
それら日常の運動では足りない分を、このゲームで補うといいんじゃないでしょうか。
例えば、
・ 毎日歩行(3METs)を20分、週7回行っている
・ 自転車に15分、週3回乗っている
・ 階段を一日2分、週5回上り下りしている
という方の場合、あとどれだけ運動すればいいか、計算してみましょう。
計算方法はこうなります。
運動量の目標を計算するためには、
METsと運動時間をかけた、【エクササイズ】という単位で計算します。
3METsの運動×1時間行う=3エクササイズと数えます。

一週間の目標:一週間で23エクササイズを目指しましょう!
※ただし、3メッツ以下の運動は数えません。

そのうち4エクササイズ分は、徒歩などの生活活動ではなく、
スポーツやエアロビクスなどの運動を心がけましょう!

※ 参考:厚生労働省【健康づくりのための運動指針2006】
徳山教授:
先ほどの例の場合、計算はこうなります。
・歩行(3METs)20分=1エクササイズ 、一週間分(7回)は 7エクササイズ
・自転車(4METs)15分=1エクササイズ、一週間分(3回)は 3エクササイズ
・階段(6METs)2分=0.2エクササイズ、 一週間分(5回)は、1エクササイズ

これで、一週間の目標エクササイズ数から日常生活のエクササイズ数を引いて、
23-7-3—1= 12
12エクササイズ足りていないことになります。
12エクササイズというのは、
●3METsの運動なら、合計4時間!
●6METsの運動なら、合計2時間!
METsの高い運動なら短い時間でクリアできますが、長時間続けるのが難しいですね。
自分の体力や運動できる時間にあわせて、3~4METsのエアロビクスやラテンダンスや空手を一日30分、 5日間に分けて行ったり、
5~7.5METsのボクササイズやヒップホップを一日1時間、2日だけ行ったり自分にあったやり方で、
12エクササイズ分を、このゲームで運動して消化できると思います。
例:12エクササイズ分行うなら、一週間にこれだけ!
・「エアロビクス スペシャルクラス」4METs 約30分。(約 2エクササイズ)
・「ヒップホップ パーフェクトクラス」5METs、約55分。(約 5エクササイズ)
・「ボクササイズ パーフェクトクラス」6METs、約52分。(約 5エクササイズ)

METsの測定方法! ヒューマンカロリーメーターって?

徳山教授:
ヒューマンカロリーメーターは、
マスクなどの機器をつけなくても、測定用の部屋に入ることで
部屋の中にいる人が使った酸素の量と吐き出した二酸化炭素の量を
測ることができる装置です。
測定した酸素と二酸化炭素の量から、エネルギー消費量を計算できます。
スタッフ:
今回はどうやって測定していただいたのでしょうか?
井川:
心拍計をつけてヒューマンカロリーメーターの部屋の中に入り、
じっと座って安静にしている時間、ゲームのエクササイズを行う時間、
もう一度安静にする時間、それぞれのエネルギー消費量を繰り返して測定しました。
嶋田:
きちんと測定できるように、画面の通りの動きができるように練習してから
部屋に入りました。(笑)頑張りました。
スタッフ:
ちなみに、苦戦したものや、印象に残っているエクササイズはありますか?
嶋田:
ボクササイズのバーニングパーティタイムの連打を何度も繰り返すのは、効きますね(笑)
ヨガ・ピラテスの姿勢を保持するのも、測定のために何度もやるので、大変でした。
宮川:
リズムパイレーツ!
モーションプラスをつけて、飛んでくる大砲の弾を切るのが良かったですね。
矢島:
スイミングもいいですね!
あんまり肩って普段回さないじゃないですか。
はたから見ているとスイミングは腕を回しているだけなんですけど、やるとけっこう効くんです。
これは肩こりに良さそうです。普段の生活ではなかなかやらない動きですよね。
山本:
エアロビクスがいいですね。
難しいものもあるんですが、長くやっているとだんだん自分が上手くなってきて、できるようになってくるんです。
上級のエアロビクスになると、かなり連続して動くじゃないですか。あれができるようになってくると楽しいです!
井川:
エアロビクスやボクシングの、激しい、難しいエクササイズができるようになったのが楽しかったですね。
振り付けを覚えて、足の動きと手の動きが合ってきて、「できた!」ってなると、楽しいです。
宮下:
エアロビは長くやっているとうまくなってくるので、だんだん調子に乗ってくるみたいな(笑)
足が何も考えずに動くようになってくると、できてきた! と思います。
次の動作を予測できるようになってくると、きれいにキマりますね!

日常生活で使える! 消費カロリーを増やすコツ

スタッフ:
日常生活で、より消費カロリーを増やすコツ、教えてください!
徳山教授:
世間で言われている食事にまつわるコツの大部分は、
カロリーメーターで測定した限りでは、効果がないという結果が出ています。
例えば、辛いものを食べるといっぱいカロリーを使うとか、夜遅く食べると代謝が下がって太るとか、
朝ご飯を抜くと、かえって太るという話は、ほとんど差が検出できません。
太りにくいと言われて売られているもののほとんどは、
カロリーメーター上では効果があらわれていないんですよ。
スタッフ:
ええっ! びっくりする話ですね。
徳山教授:
でも体を動かせば、計算する前に、測定画面を見ているだけで代謝が違うのが明らかにわかります。
例えば、座っているのと立っているのでは、明らかに代謝が違います。
そのくらいの効果をサプリメントで検出するのは、非常に困難です。
スタッフ:
えっ、サプリの効果は、座りと立ちの差よりも少ないんですか?
それは残念な結果ですね!寝る前にラーメンを食べて寝ると太りやすいよ、という話は?
徳山教授:
ラーメン食べたら太りますよ(笑)
いつもの食事プラスラーメンは太ります。
ただ、我々が行った、限られた実験上では、寝る前に食べても朝に食べても、ラーメンのカロリーは一緒です。
晩御飯を夕方5時に食べるか7時に食べるかで、24時間の消費エネルギーは変わりません。
朝抜いて、お昼と夕飯でまとめ食いすると太るように言われていますが、一日で調べた限りは一緒です。
一年間続けたら、というのは、さすがに測定できていませんが。一年間あの部屋に入ってもらうわけにはいかないので(笑)。

ですから、消費カロリーを増やそうと思ったら、体を動かすのが一番の近道です。
運動してエネルギー消費量が増えなかった人というのは、まずいません。
それがいわゆる運動でなくても、座っているのと立っているのでも全然違うし、
家の中で座っているのと、ぶらぶら歩いているのでも全然違います。
今のところ、世の中のサプリメントは、体を動かすことにはかないません。
食事の総量と動く量を変えずに薬やサプリメント、食べる時間帯を変えることで痩せるという話は、なかなかうまくいきません。
スタッフ:
食べる量と運動量を気にして、日々を送るといいということですね!
運動しないでサプリメントだけ摂ってもダメだと。
徳山教授:
また、「運動はその直後1~2時間、食欲を抑える」という効果は、いろんなところで言われています。
それは、調査結果からも、空腹のメカニズムからもいえます。
例えば、今頃(ちょうど3時ぐらい)だと、おやつを食べたい時間じゃないですか。
座っていたら、何かつまみますよね。3時ごろに運動をしていたら、その3時の空腹は感じずにいられたということです。
激しい運動であればあるほど、空腹を感じません。
スタッフ:
そうなんですか!
じゃあ、昼の2時くらいからこのゲームをプレイしておけば、3時のおやつは食べたくならないということでしょうか。それはいいですね!
徳山教授:
食欲を抑えるといえば、運動と一緒で、眠っている間はお腹がすきませんね。
トイレには行きたくて起きるかもしれませんが。
睡眠時間の短い(6時間以下の)人の中に肥満や高血圧、糖尿病が多いというのが、確かな情報になりつつあります。
例えば6時間の睡眠の人だと、18時間起きていますね。
ずっと寝ているほうが太りそうに思いますが、起きている時間が長いと、おなかが空く時間が長くなり、一日で見ると食べ過ぎて太ります。
スタッフ:
うわー、それは衝撃的です! たくさん寝よう(笑)
スタッフ:
最後に、読者にメッセージをお願いします!
矢島:
スポーツジムに通わないとできない
エアロビクスやヨガなどのエクササイズが自宅で簡単にできて
実際やっていて楽しかったので、やってみていただけるといいと思います。
宮川:
正直ゲーム好きとしては「どうかな~」と思っていたんですが、意外と楽しかったですね。
損はしないからやってみてください! という感じです。
僕も家でやります。
井川:
運動すると健康になるといわれていますが、
健康のために運動をすると長くは続けられないと思うんです。
楽しく運動していたら健康になった、というのが一番いいと思うんです。
その一つのツールとして使えば、いい結果が出ると思います。
山本:
基本的にはスポーツは人と一緒にやるのが楽しいと思うんですが、
天気が悪いとき、部屋の中で運動したいときもあると思うんです。
そんなときこのゲームをやれば、画面のトレーナーが声を掛けてくれるので、テンションが上がると思います。
嶋田:
空手とかボクシングとか、しんどいのもあるんですが、
やっていたら意外とすぐ時間が過ぎていて、無理せず体を動かせるのかなと思いました。
楽しかったです。
徳山教授:
ゲームは面白いメディアで、
ゲームという切り口で運動をすることにはもっと深い可能性があると思います。
運動の専門家がもっと入っていって、頑張ってくれれば、さらにもっと発展できると思います。

筑波大学 運動栄養学 徳山薫平(とくやま くんぺい)教授 研究室

健康や身体能力について運動と食事の両面 から考え
トレーニングや食事の効果を検討する。
健康なヒトをも含めて研究の対象となる体育の特性を考えて、
非侵襲的な測定方法でデータを得て、シミュレーションにより徹底した解析を行う。
この2点に特に力を注いで行こうと研究室を立ち上げている。